560gで生まれたあの日

560gで生まれたあの日

その時は、突然でした。


「まずは28週を目指しましょう。」


そう言われて入院した数日後、私は緊急帝王切開で出産することになりました。

急遽、仕事中の夫に連絡をし、早退して病院へ来てもらいました。


妊娠26週と3日。
生まれてきた息子の体重は、560gでした。

一瞬だけ、先生の手のひらの上に抱かれた小さな赤ちゃんが、私の目の前に現れました。

でも、それは本当に一瞬でした。

すぐに医療スタッフのもとへ運ばれ、保育器へ。私の息子は、産声はありませんでした。

手術室の外で待っていてくれた夫の顔を見た瞬間、それまで張りつめていた気持ちが緩み、ただ涙があふれていました。

今振り返ると、あの日を境に、私たち家族の毎日は大きく変わりました。

突然の入院。 叶わなかった里帰り出産。 頼れる身内は、近くに夫だけ。

不安だらけでした。

そして、あの日、私が願っていたことは、ただ一つ。

「どうか、生きていて。」

560gで生まれた、小さな命。てんてん。

ここから、私たち家族の数か月にわたるNICU生活が始まりました。

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